論理思考の基礎知識1 伝統的思考法
ビジネスのあらゆる局面で論理思考は必要となります。しかし、いざ論理的に考えようとしても中々難しいもの。論理思考は、特別な能力ではなく、適切な練習により、誰にでもできるようになります。先ずは基礎知識を把握した上で、訓練する必要があります。
論理思考の訓練で、以下の能力が高まります。自分の携わるビジネスの現場で役立ててください。
・相手の意見を適切に理解できるようになる
・適切な反論ができるようになる
・クリエイティビティが高まる
・議論を効果的に進めやすくなる
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それでは、論理思考で使われる基礎知識をご紹介いたします。
伝統的な論理思考法としては... ①帰納法(きのうほう)・②演繹法(えんえきほう)・③弁証法(べんしょうほう)があります。
①帰納法は、多くの共通事項やルールに基づき結論を導き出す方法です。
②演繹法は、三段論法とも呼ばれ、2つの前提から結論を導きだす方法で、よく大前提→小前提→結論のような流れで使われます。
③弁証法は、対立又は矛盾する2つの事柄を統一・統合することにより、高次元の結論へ導く思考方法で、論理展開が高次元で知的活動としての価値は高い一方、社会生活では使い難い側面があります。
では、日常生活でよく使われる①帰納法と②演繹法の注意すべきポイントについてご紹介します。
①帰納法は、適切な推論の原点をリストアップする事からはじまると覚えてください。構造は、何件もの実例をあげ、その実例の共通の命題を推論で導くものです。
しかし、①帰納法で導いた推論は、あくまで多くの事例から予想される推論にすぎないため、「おそらく」とつく結論しか、原理的に導き出せない思考法です。
そこで、①帰納法では、蓋然性(がいぜんせい:正しさの度合い)が必要となり、蓋然性の高い推論が導き出せれば、論理的に正しいと主張できると考えます。
言い換えると、①帰納法による論理展開は、発言者と受け手の暗黙の了解によって成り立っていて、両者の納得感があれば、妥当性ありと判断される事を覚えておいてください。
次に②演繹法についてですが、大前提と小前提が正しければ、結論は正しいと言う流れの論理展開は、実際には結論が正しくならない事があります。
②演繹法の最大のウィークポイントは、この禅問答のような状態に陥る事は、そう珍しい事ではありません。故に演繹法の見方を変え、結論とそれを導き出している小前提から、逆にどのような大前提が想定されるのか遡って考える時に演繹法を使って頂きたいと思います。
言い換えると、結論と小前提から導き出される成功の鍵となる大前提を探し出す時に役立ててみてください。