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現在のビジネス・パーソンに必要となる知識を記載して参ります。ご興味のある方は、是非参考にしてみて下さい。

IT化が進みビジネスの合理性や先進的知識が追求される現代において、新しい領域や問題に接する局面に対峙する場合があります。その際、個人の力が求められる場合があります。そんな時に個人の能力を発揮する上で必要となる基本的な知識、足がかりとなる情報をご紹介して参りたいと思います。

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論理思考の基礎知識4 ピラミッドストラクチャ

ロジックツリーは課題を先に立て、そこから下位の概念にブレイクダウンしますが、ピラミッドストラクチャは、最底辺、つまり具体的な情報や観察事項から上位の概念・命題に向けて、推論を進めていくことになります。

ロジックツリーが上位概念から思考する事で、最底辺のメッセージが非現実的になる可能性があるのに対して、ピラミッドストラクチャは、下辺から出発するので、事実を外す心配がないと言えます。その代わり、上位の概念を適切につくることが難しく、思考の手法としてはロジックツリーより難しい感じることも多いと思います。

ピラミッドストラクチャのメリットとして、 メッセージ(主張)とその理由の構造を示したものとも言えます。故に、相手の主張を理解し分析する際に有効なツールとなります。

論文やビジネス文書、ビジネスの現場で相手の言っていることを理解する上で、構造的に理解する上で利用価値が高いと言えます。

注意すべきポイントとしては、ピラミッドストラクチャによく形は似てるが、箇条書きや起承転結の羅列になっているものがあるため、注意が必要です。

なお、ピラミッドストラクチャの思考を加速させるツールとして、「So What?」と「True?」があります。

「So What?」は、実際に日常的に論理思考を行うために使っているとも言えます。「So What ?」とは「それって何 ?」と自問自答していく事で、前にある情報から意味を見いだし、価値ある情報を引き出す思考法です。

人は、厳密に観察事項からのみ考えて行動しているわけではありません。目の前にある事象に、自分が知っている経験や知識を組み合わせて判断を下しています。その判断を行う思考が「So What?」です。

更に言うと「So What ?」で判断を行う事で、判断後の結果の可能性も考える事も可能となります。

次に「True?」についてですが、 複数出てくる「So What ?」のうち、どのメッセージが適切かを判断する必要があった場合、選別を行う時の思考が適切か判断する必要があります。この選別に有用なのが「True? 」「ほんと?」と問う思考法です。

「True?」の流れは以下のようになります。

①「So what ? 」の結果が複数出てくる。

②複数の「So what ?」を「True ?」で思考して妥当性を判断し選別する。

③その結果、観察項目以外の知見や事実を援用する事もあり。(※その際、どのような知見や事実を使ったかの自覚は重要である。)

この「So What?」と「True?」で、ピラミッドストラクチャの上位にある概念や命題に辿り着く思考の速さを加速させて見てください。

2020年01月20日

論理思考の基礎知識3 ロジックツリー

ロジックツリーは、思考法の中でも、構築すると、最も論理的に見えるツールと言われています。先ず問題意識を提起することからはじまり、トップダウン型でロジックを構築させる手法です。

ロジックツリー構築の際、注意すべきポイントとしては、最適な抽象度のメッセージや命題をツリーの頂点に掲げた後、二段目以降を程良い抽象表現にまとめていく事で、具体的な羅列に終わらせないよう心掛けつつ、MECE感を大切にし作っていく事が重要になります。

つまり、ツリーの二階層で、考えられる場合・ケースをモレなくダブりがなくコメントやワードを出し尽くしますす。その際、ある程度抽象度を考慮しつつ、コメントやワードを整え、MECE感がある二階層にまとめる作業を行います。

更に一度MECE感のあるツリーができても、満足せず、自分の思考を疑いの視線で思考する事が大切となります。 この見直しの際に、「そもそも〜?」と問い直し、論理的に整合があるを確認してください。

ロジックツリーを使うメリットは、 前述の通り上位概念から具体的なものへブレイクダウンする中で、MECEを使っていく事で、網羅性のあるロジックがつくれる点にあります。

そのため、課題を解決するための方法が全部でどのくらいあるのかを把握する際に向いて、戦略オプションをなるべくたくさん出すような場合には、最適であると言えます。

しかし、ブレイクダウンによって発見されたオプションは、あくまで「目的のための一手段として考えれる選択肢」にすぎません。実際に限りなく実現が不可能な方法まで検討してしまう事が欠点でもあります。

企業の中期計画やコンサルタントのプランが机上の空論になるのも、この欠点に由来していることを十分に注意しておく必要があります。

ロジックツリーの構造を見直すツール 既に決まったビジョンや戦略について、実際の戦術を決める際に「How ? どうのようにしてやるの?」と考える思考法が有効となります。

一方、「How?」は戦略やビションを決める際には使えない事を覚えておいてください。ビジネスの現場で混同される事がよくあるため注意する必要があります。

また、ピラミッドストラクチャにより戦略やビジョンの設定を行なった上で、「How ?」によるロジックツリーを行う事が、大変有用な思考法となる事も覚えておいてください。

2020年01月20日

論理思考の基礎知識2 MECE

間単に市場や領域を捉える際に使う思考法に、MECE:ミーシー(Mutually:相互に Exclusive:排他的な Collectively:まとめると Exhaustive:余す所のない)があります。「相互に排他的な項目」による「完全な全体集合体」を考える際に使います。少し取っ付き難いため、「もれなくダブりなく」複数の領域に分けて考える思考法と覚えてください。

このMECEは、よく市場を分類し分析する際に使われますが、自己流で考えた時にダブりがあることに気づかず、誤った分類をしてしまう事があります。そこで、ビジネスで使い易いフレームワークが考案され使われていますので、一例をご紹介します。

・3C(Customer顧客,Competitor競合他社,Company自社)の3つのMECEな領域から事業分析を行うフレームワーク

・4P(Product製品,Price価格,Promotion販売促進,Place流通)の4つのMECEな領域から事業分析を行うフレームワーク

・バリューチェーン(開発→生産→マーケティング→販売→流通→物流→サービス)の6段階のビジネスを分析するフレームワーク

MECEの注意すべきポイントは、厳密にMECEを突き詰め過ぎない事です。「MECE感が大切」と言う言葉につきます。

練習でMECEに拘って分類するのは問題ないのでが、実際のビジネスの現場で運用する際、厳正なMECEに拘る必要は余り意味がないと言えます。

MECEを使う例としては、実際の市場分析などを行う際、先ず直感的な仮説(切り口)を設定し、その切り口から市場分類を行い、その切り口以外の領域(その他の市場)をMECEとなるよう大体切り分ける際などに使います。

2020年01月20日

論理思考の基礎知識1 伝統的思考法

ビジネスのあらゆる局面で論理思考は必要となります。しかし、いざ論理的に考えようとしても中々難しいもの。論理思考は、特別な能力ではなく、適切な練習により、誰にでもできるようになります。先ずは基礎知識を把握した上で、訓練する必要があります。

論理思考の訓練で、以下の能力が高まります。自分の携わるビジネスの現場で役立ててください。
・相手の意見を適切に理解できるようになる
・適切な反論ができるようになる
・クリエイティビティが高まる
・議論を効果的に進めやすくなる

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それでは、論理思考で使われる基礎知識をご紹介いたします。
伝統的な論理思考法としては... ①帰納法(きのうほう)・②演繹法(えんえきほう)・③弁証法(べんしょうほう)があります。


①帰納法は、多くの共通事項やルールに基づき結論を導き出す方法です。
②演繹法は、三段論法とも呼ばれ、2つの前提から結論を導きだす方法で、よく大前提→小前提→結論のような流れで使われます。
③弁証法は、対立又は矛盾する2つの事柄を統一・統合することにより、高次元の結論へ導く思考方法で、論理展開が高次元で知的活動としての価値は高い一方、社会生活では使い難い側面があります。


では、日常生活でよく使われる①帰納法と②演繹法の注意すべきポイントについてご紹介します。


①帰納法は、適切な推論の原点をリストアップする事からはじまると覚えてください。構造は、何件もの実例をあげ、その実例の共通の命題を推論で導くものです。


しかし、①帰納法で導いた推論は、あくまで多くの事例から予想される推論にすぎないため、「おそらく」とつく結論しか、原理的に導き出せない思考法です。 そこで、①帰納法では、蓋然性(がいぜんせい:正しさの度合い)が必要となり、蓋然性の高い推論が導き出せれば、論理的に正しいと主張できると考えます。

言い換えると、①帰納法による論理展開は、発言者と受け手の暗黙の了解によって成り立っていて、両者の納得感があれば、妥当性ありと判断される事を覚えておいてください。


次に②演繹法についてですが、大前提と小前提が正しければ、結論は正しいと言う流れの論理展開は、実際には結論が正しくならない事があります。

②演繹法の最大のウィークポイントは、この禅問答のような状態に陥る事は、そう珍しい事ではありません。故に演繹法の見方を変え、結論とそれを導き出している小前提から、逆にどのような大前提が想定されるのか遡って考える時に演繹法を使って頂きたいと思います。

言い換えると、結論と小前提から導き出される成功の鍵となる大前提を探し出す時に役立ててみてください。

2020年01月20日

仮説検証サイクル

仮説を立て検証する習慣は、自ら考え行動を起こす局面に立つビジネスに携る人々には、必須の思考法と言えます。

新規にビジネスを立ち上げる際、新しい市場、新しい商品、新しい顧客セグメント、新しいビジネス・システムなどでビジネスを検討する際、必ずと言っていいほど、見通しが効かない局面が出てくるものです。

こんな時、この仮説検証サイクルが大変重宝する場合があるため、この思考法は体得して頂きたいと思っています。

マネージメントやビジネスのセンスがある人々は、 〜から〜であるといえるのではないか、〜と〜を合わせて考えると〜となるのではないか、逆に〜と考えるとどうなるのか、この部分を考るとどうなるのか、新たにこう言う要素を加えるとどうなるか、〜と言う前提を取り払うとどうなるか、などと常に思考を巡らせています。

仮説とは、限られた情報から導き出された仮の結論を指します。

仮の結論だから、仮説ができると、直ぐに正しいか検証する事になります。顧客や関係者への聞いたり、有識者の見解を確認します。また、情報を収集し、分析を行います。その結果、また新たな仮説が導き出されます。

この仮説を立て、検証するサイクルを高速で回す事により、新しいビジネスや課題に対して、現実的な対応プランを生み出す事ができます。

よくPDCA(P:Plan計画、D:Do実行、C:Check検証、A:Acton対策)を回せと言われますが、この仮説検証サイクルが出来なければ、PDだけ行われ、CDが伴わず、計画に対する成果も得られなければ、問題が生じていき詰まってしまう事など、よくある話ではないでしょうか。

ここまで、仮説検証サイクルについて記述しましたが、探偵や刑事もののドラマや小説で、探偵や刑事が犯人の行動を想定して聞き込みを行い犯人にたどり着くと言う話など、どこかで見聞きしたことがあると思います。この仮説検証サイクルは、意外と親しみ易い思考法と言えます。

さて、仮説検証サイクルのステップは4つです。

Step1:変化を把握する

Step2:仮説を設定する

Step3:情報を収集する

Step4:仮説を更に練り直し・修正・実行する

なお、 この仮説検証サイクルの循環に際して、重要となるのが問題意識と当事者意識になります。これら意識の深さにより、仮説立案時の切れと鋭さに繋がって参りますので、意識についても重要性を認識しておいてください。

2020年01月11日