ロジックツリーは課題を先に立て、そこから下位の概念にブレイクダウンしますが、ピラミッドストラクチャは、最底辺、つまり具体的な情報や観察事項から上位の概念・命題に向けて、推論を進めていくことになります。
ロジックツリーが上位概念から思考する事で、最底辺のメッセージが非現実的になる可能性があるのに対して、ピラミッドストラクチャは、下辺から出発するので、事実を外す心配がないと言えます。その代わり、上位の概念を適切につくることが難しく、思考の手法としてはロジックツリーより難しい感じることも多いと思います。
ピラミッドストラクチャのメリットとして、 メッセージ(主張)とその理由の構造を示したものとも言えます。故に、相手の主張を理解し分析する際に有効なツールとなります。
論文やビジネス文書、ビジネスの現場で相手の言っていることを理解する上で、構造的に理解する上で利用価値が高いと言えます。
注意すべきポイントとしては、ピラミッドストラクチャによく形は似てるが、箇条書きや起承転結の羅列になっているものがあるため、注意が必要です。
なお、ピラミッドストラクチャの思考を加速させるツールとして、「So What?」と「True?」があります。
「So What?」は、実際に日常的に論理思考を行うために使っているとも言えます。「So What ?」とは「それって何 ?」と自問自答していく事で、前にある情報から意味を見いだし、価値ある情報を引き出す思考法です。
人は、厳密に観察事項からのみ考えて行動しているわけではありません。目の前にある事象に、自分が知っている経験や知識を組み合わせて判断を下しています。その判断を行う思考が「So What?」です。
更に言うと「So What ?」で判断を行う事で、判断後の結果の可能性も考える事も可能となります。
次に「True?」についてですが、 複数出てくる「So What ?」のうち、どのメッセージが適切かを判断する必要があった場合、選別を行う時の思考が適切か判断する必要があります。この選別に有用なのが「True? 」「ほんと?」と問う思考法です。
「True?」の流れは以下のようになります。
①「So what ? 」の結果が複数出てくる。
②複数の「So what ?」を「True ?」で思考して妥当性を判断し選別する。
③その結果、観察項目以外の知見や事実を援用する事もあり。(※その際、どのような知見や事実を使ったかの自覚は重要である。)
この「So What?」と「True?」で、ピラミッドストラクチャの上位にある概念や命題に辿り着く思考の速さを加速させて見てください。